892: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 19:26:10.43 ID:ZtvFKS2k0
竜『(たのむよ俺、すこしの間だけでいいんだ。痛みなんかに負けないで、ほんとうに恐れないといけないものを間違わないで)』
竜『(そしたらほら、痛みに瞑った目をひらいて、想って、あの子に声を届かせて)』
893: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 19:26:57.65 ID:ZtvFKS2k0
竜『(痛みと向き合って)』
竜『(生きることをあきらめないで)』
894: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 19:27:30.27 ID:ZtvFKS2k0
少女「……………………って」
側近「! …………」クルッ
少女「まって」
895: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 19:28:31.70 ID:ZtvFKS2k0
側近「…驚いた。まだ動けるのか」
少女「……声が、聴こえたんです」
側近「動くな、それ以上近付いたら撃つ」カチャ
896: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 19:29:39.31 ID:ZtvFKS2k0
少女「…痛い。でもこの痛みから目を逸らしちゃいけないんだ」
側近「やめろ…」パンッパンッ
少女「まだ生きる望みを捨てるわけにはいかないんだ」
897: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 19:30:42.95 ID:ZtvFKS2k0
少女「(視界がぼやける、意識が薄れる。例え意志が折れなくても心がもう限界なんだ)」ガシッ!
側近「くっ、離せ!」ガンガン!
少女「(お願いだからもう少しだけもってわたしの心。痛みなんかに負けないで)」グイッ
898: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 19:36:29.02 ID:ZtvFKS2k0
側近「な、んだ、これ」
少女「げほげほっ。……え?」
側近「体が、動か……息、も……!」
899: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 19:37:46.02 ID:ZtvFKS2k0
少女「え、あれ…なん、で?」
竜『君がリモコンを壊してくれたおかげでようやく“視る”ことが出来た。その様子だと無意識の内にみたいだけど』
少女「あ、さっき服を引っ張った時……いや、そんなことよりも」
900: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 19:40:45.99 ID:ZtvFKS2k0
竜『落ち着いたかい?』
少女「はい…もう、大丈夫です」
竜『そうか、それじゃあそろそろ教えてくれないか。ここから俺をどうやって救ってくれるのか』
901: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 20:32:31.47 ID:ZtvFKS2k0
竜『……なんて、なんてことを言い出すんだ君は』
少女「洞窟にあった世界の神話について書かれた本の中にありました。竜の体内の毒を受けて激痛に苦しむことになった不老不死の男の話です」
少女「その不老不死の男は痛みから逃れるために自らの体を燃やし、永遠から逃れました」
902: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 20:33:31.30 ID:ZtvFKS2k0
竜『待って、待ってよ…。そもそも君が死ぬことがなんで俺と学者を救うことになるんだよ?』
少女「お母さんはわたしを助けるためにメビウスさんを犠牲にせざるを得ませんでした、きっとこれからもわたしという"やっかい"な存在のせいで自分が本当に選びたい選択肢を選べなくなると思います」
少女「メビウスさんはわたしが実験台になることを回避するために一切の抵抗を放棄して囚われてしまいました。逆に言えばわたしが"いなくなれば"もうここにいる必要はありませんよね? 例え鎖が邪魔で逃げられなくとも最悪舌を噛み切って別の場所に生まれ変わればいい」
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