過去ログ - 『「雨だ……」』
1- 20
897: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 19:30:42.95 ID:ZtvFKS2k0
少女「(視界がぼやける、意識が薄れる。例え意志が折れなくても心がもう限界なんだ)」ガシッ!

側近「くっ、離せ!」ガンガン!

少女「(お願いだからもう少しだけもってわたしの心。痛みなんかに負けないで)」グイッ
以下略



898: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 19:36:29.02 ID:ZtvFKS2k0
側近「な、んだ、これ」

少女「げほげほっ。……え?」

側近「体が、動か……息、も……!」
以下略



899: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 19:37:46.02 ID:ZtvFKS2k0
少女「え、あれ…なん、で?」

竜『君がリモコンを壊してくれたおかげでようやく“視る”ことが出来た。その様子だと無意識の内にみたいだけど』

少女「あ、さっき服を引っ張った時……いや、そんなことよりも」
以下略



900: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 19:40:45.99 ID:ZtvFKS2k0
竜『落ち着いたかい?』

少女「はい…もう、大丈夫です」

竜『そうか、それじゃあそろそろ教えてくれないか。ここから俺をどうやって救ってくれるのか』
以下略



901: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 20:32:31.47 ID:ZtvFKS2k0
竜『……なんて、なんてことを言い出すんだ君は』

少女「洞窟にあった世界の神話について書かれた本の中にありました。竜の体内の毒を受けて激痛に苦しむことになった不老不死の男の話です」

少女「その不老不死の男は痛みから逃れるために自らの体を燃やし、永遠から逃れました」
以下略



902: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 20:33:31.30 ID:ZtvFKS2k0
竜『待って、待ってよ…。そもそも君が死ぬことがなんで俺と学者を救うことになるんだよ?』

少女「お母さんはわたしを助けるためにメビウスさんを犠牲にせざるを得ませんでした、きっとこれからもわたしという"やっかい"な存在のせいで自分が本当に選びたい選択肢を選べなくなると思います」

少女「メビウスさんはわたしが実験台になることを回避するために一切の抵抗を放棄して囚われてしまいました。逆に言えばわたしが"いなくなれば"もうここにいる必要はありませんよね? 例え鎖が邪魔で逃げられなくとも最悪舌を噛み切って別の場所に生まれ変わればいい」
以下略



903: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 20:34:33.71 ID:ZtvFKS2k0
竜『…………』

少女「メビウスさん、時間がありません。早くしないとヒトが来てしまいます、手遅れになります」

竜『…疑問がある、どうして君は態々ここまで来たんだ。君のその計画なら俺がここを脱出した後に君を外で殺すのでも大差はないはずだ。こんな苦労する必要はなかったはずだ』
以下略



904: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 20:35:18.36 ID:ZtvFKS2k0
竜『君は、本当に自分が死ぬ願いを叶える為にここまできたのか』

少女「そうです、これが皆が幸せになれるたった一つのハッピーエンドなんです。ですから、お願いします。毒を作りたいと願ってください」

少女「わたしを殺したいと願ってください」


905: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 20:36:06.74 ID:ZtvFKS2k0
竜『断る! そんな、そんなの俺には無理だ…』

少女「メビウスさん、こっちを見てください」

竜『……なんで』
以下略



906: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 20:37:04.31 ID:ZtvFKS2k0
竜『…………』

少女「メビウスさん」

竜『こんな、こんなはずじゃなかった……こんな結末俺達は望んでいなかったのに、なんで、なんで…!』
以下略



933Res/559.87 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice