908: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 20:38:54.51 ID:ZtvFKS2k0
竜『……少女、聞いてくれ』
少女「……はい」
竜『…………俺が(ああ、俺にはそんな未来が描けるわけがないことはわかっているのに)』
909: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 20:39:48.31 ID:ZtvFKS2k0
少女「わたしの最期の無茶なお願い、聞いてくれますか?」
竜『出来ることなら、いいよ』
少女「最期に、外が見たいんです。こんな真っ白で殺風景な光景を見て逝きたくないんです。なんとかなりませんか?」
910: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 20:40:37.35 ID:ZtvFKS2k0
少女「あっ」
竜『なんだい』
少女「流れ星。えへへ、今度はメビウスさんより先に見つけることができました」
911: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 20:41:52.51 ID:ZtvFKS2k0
少女「…聞こえますか、大勢のヒトがこの部屋に向かってきてる足音が」
竜『…ああ、聞こえているよ』
少女「……本当は、もっとこの空をみていたかったけど、もう時間みたいですね」
912: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 20:42:38.99 ID:ZtvFKS2k0
竜『(手がほとんど動かせないから……舌を噛んで)』ガリッ、ポタポタ
少女「……いただきますね。ん…」ペロッ
少女「ふあっ…う、うぐううううぅぅ」
913: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 20:43:20.81 ID:ZtvFKS2k0
少女「(メビウスさん)」
竜『…………』スウ…
少女「(友達になってくれてありがとう)」
914: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 20:44:09.67 ID:ZtvFKS2k0
―地上、研究所外―
「あー今日も仕事疲れたな。星が綺麗だー」
「ずっと地下に篭ってたら気が滅入るよな。…ん? なんか変な臭いがしないか?」
915: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 20:44:52.89 ID:ZtvFKS2k0
―地下、エレベーター付近―
側近「(死体が)」ズルズル…
側近「(死体がそこかしこに転がっている。そうでないもの、つまり"死ねないもの"は)」
916: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 20:45:51.64 ID:ZtvFKS2k0
―地上、外―
側近「(ここも同じだ)」
側近「(数多の死体と、全身を焼き尽くされるような痛みに悲鳴を上げる者しかいない)」
917: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/10/05(日) 20:47:43.17 ID:ZtvFKS2k0
♪666の裁き
竜『(眼下は汚物と耳障りな音を口腔から漏らし続ける醜悪なニンゲン達で満ちている)』
竜『(なんだ、醜いのはお互い様だったんじゃないか)』
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