過去ログ - ペリーヌ「高秋のフォーマルハウト」
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3:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/10/04(金) 23:45:09.45 ID:0p3z+N1C0
校門に向かう、二人の少女がそこにはいた。
一人はカバンを肩にかけて、後ろ向きに喋りながら。
一人は肩まで伸びた銀の髪を揺らしながら、両の手でカバンを前に持ち、静々と後ろを歩く。
何を話しているのだろう。
夏休み明けからもう1ヶ月は経っているけれど、彼女は……エイラさんは恋人について何も話してくれない。
もちろん、こちらから聞くことは出来ないし、かといって彼女からソレについて話をされても困るのが、今のところの本音だ。
ギクシャクとした関係に近い、少し遠くに行ってしまったような疎外感が、そこにはあった。
はぁ……ほんと、イヤな所を見てしまった。
だが、目も逸らすことも出来ず、二人が校門を出て角を曲がるところまでしっかり見送ってしまう私は、一体何なのだろう。
結局、あの日行き先を失った私の恋心は、家のゴミ箱でも、風呂場の排水溝でも、学校のトイレでも、アイスを食べても捨てられなかったのだ。
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