過去ログ - 【咲安価】 京太郎「……変、身ッ」 咲「……超変身」 18クール目【ライダー】
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644: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2013/12/18(水) 20:36:11.57 ID:VJKywfTyo

「空気さん、空気さん」

「……ん。もう、放課後だったっけ?」

「いや、普通に教室移動っすね。……どれだけ寝過ごすつもりだったんですか?」


 口調からは今にも押し出されんばかりのフランクさが感じられるが、全体的な雰囲気としてはどこか陰りのある黒髪の少女――、

 東横桃子の問いかけに、欠伸を噛み殺して応じる男子生徒。

 伸びをして、首を捻りながら頭を掻く。金髪がくしゃりと揺れる。

 それからまた気だるそうに、数学の教科書――一限目のものだ――を、机に戻す。


 桃子は知っていた。

 彼は、金髪の少年は――須賀京太郎は、教科書の殆どを学校に置き去りにしていると。


「ほら、イケメンさん。行くっすよ」

「……呼び方、安定しないのな」

「須賀くんが、敬愛と親密と三分の一の純情な感情を込めて私を下の名前で呼んでくれたら考えてやるっすけど」

「……どんな風にだ?」

「んー、仲良しっぽく『京さん』とか『京ちゃん』とか!」


 軽く期待を込めた桃子の視線を、「じゃあパスで」と手のひらで払う京太郎。

 おおよそ頭一つ分違う彼の目許にはその実、万物に対する拘りというものが感じられない。

 どこか遠くを――ここではないどこかを、それだけを捉えている。


 はあ、と溜め息を漏らす。

 ある事件があってから――この手の瞳をするものは、少なくないのだ。

 今も隣にいるこの少年がその内の一人だとしても、無理はなかった。




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