過去ログ - 【咲安価】 京太郎「……変、身ッ」 咲「……超変身」 18クール目【ライダー】
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701: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2013/12/24(火) 03:08:20.90 ID:xQuT9COzo

 そこで彼は――森永幸平は気付いた。

 キラキラと辺りを舞う、ガラス片。
 鏡のようなものが、光を乱反射させて輝いていた。
 そして、白く染まる少年の息。

 これは――。


京太郎「……」


 極低温。

 少年のその周囲が白く凍り付いていた。
 そんな低温の物体目掛けて叩き付けていた拳は、言わずもがな。
 絶対零度の低温というのは、全ての物体の運動を停止させるのだ。

 罅が入ったのは己の指。
 壊されたのは自分の手。
 砕けていたのは自分自身の欲望だった。

 ――否。


京太郎「……あんた、さ」

京太郎「人を……傷つけるんだよな……?」

京太郎「そうやって……」

京太郎「誰かから、何かを奪うって言うんだよな……?」


 砕いたのは、目の前の少年だ。

 めり込んだ壁から、少年が体を起こす。
 いや、違うのだ。その姿はもう少年などと呼んでいいものではない。
 重なる、異形の影。
 レンガについたその手は、人間のそれとは異なるものになっていた。


京太郎「そんなのは……!

京太郎「そんなのは……俺が……!」

京太郎「俺が――俺が、許さないッ!」


 正気であると思っていたその目は実際茫洋として、心ここにあらずといった様子。
 少年はきっと、状況を理解してはいなかった。
 夢心地のまま、この場に訪れたのだ。そうして、この場に割って入って人を助けた。

 今の彼には現実を理解できていない。
 ただそんな状況であっても、朦朧としていても、彼は人助けを選んだ。
 本質として穏やかで、人のことを思いやり、そして正しき正義を胸に宿しているからこその行動。

 だが、しかし――。


京太郎「だから――砕けろッ!」


 そんな状況で彼に、手加減や思いやりというのをしろというのは、不可能な話であった。



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