28: ◆ttske0ubhFi9[saga]
2013/10/07(月) 15:00:30.03 ID:uDlNoJil0
使い古された照明や音響機器は、しかし一目見れば高級で、その道のプロ達の歴史が刻み込まれている、そんな世界。そんなステージ。
鳴護アリサは、そのステージ中央で、巨大なディスプレイをバックに立っていた。
数々の照明は、彼女の左手の青いブレスレットを始め、衣装の様々な装飾も煌めかせている。
そして、並べられた音響機器から、彼女の声が会場内に響きわたった。
「皆さん、今日はライブに来て頂き、ありがとうございます!」
「お、ほら、始まりますよインデックスさん。アリサだ」
「ほんとだ、おーい!!」
「こらこら、今はあんまり大きい声は出すな」
──きっと、ここまでこれたのは奇蹟で。
「本日は、初公開となります、私、鳴護アリサの新曲を歌わせてもらいます」
「へぇ……」
──これから更に先の世界は、そんな運だけじゃ乗り切れないと思う。歌も、恋も。
「聞いてください──」
──でも、心配は要らない。だって……。
「『明日、晴れるかな』」
──あの晴れの日のように、“彼”と強く願ったら、それはきっと叶うから。
fin
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