過去ログ - 【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第16位【アラフォーマーズ】
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658: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2013/10/10(木) 21:58:12.65 ID:Nz4P9wcYo

 有無を言わさぬその視線に、怜は立ち上がった。

 邪魔をするなら、関係ないこの少年にも容赦しないだろう。

 ここまで守られた。

 だから今度は自分の番だと――


「久しぶりだな、照姉ちゃん」


 進もうとした怜の前に割り込む、一人の少年。

 園城寺怜を助け、守り、運命を共にした少年。

 喪った少女の笑顔を胸に、総てを投げ出し己の一分を貫く男。


「……初対面の筈だけど」

「ああ、こうなったら判らないよな」


 幼少の頃は身体が弱かったが故に、彼の両親はある迷信にすがった。

 かつて男児は女児に比べて死にやすく、それを神に連れていかれると考えた故に、

 男子を女装させて、神の目を免れるという風習があった。


「あの娘は車椅子で……それに、死んだ筈じゃ……」

「……ああ、そうだよ」


 学生服を脱ぎ捨てて、片手をコキリと鳴らす京太郎。

 その顔に、薄墨のごとき隈取りが浮かび上がる。


「俺は火事で死んで――甦ったんだ」



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