12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/10(木) 22:16:14.88 ID:TidhJoLi0
…………。
少しずつ小さくなっていく背中をベンチに腰掛けながらぼんやりと眺めている。
一番近くにある自動販売機は公園を出て少し行った場所に置いてある。距離は100メートルくらい。一人にされる時間は2分くらい。
背もたれの縁に頭を預けると青空が広がった。薄くて細い雲が散り散りに広がっている。
少し暖まった体を秋風が冷ます。絵に描いたような秋の一日だった。
こんな日がずっと続けばいいなと思うような。秋の一日。
でも、胸の奥には不安がこびりついて離れない。そんな秋の一日。
響「…………」
誰が見ても、誰が聞いても、誰が居ても自分は幸せに包まれているはずなのに。
優しい仲間に囲まれて、家族とも楽しく過ごせて、夢に向かって好きな仕事をして、……一緒に居たい人が居て。
自分でも、なんでこんな気持ちになるのか分からなかった。
もう昔とは違うのに、影が足下とか物陰とか柱の後ろとかに居て自分を見てる。
響「……!」
ほら、今だって木の陰に居た。
何か分からない、その不安の種は少しずつ、少しずつ自分に近づいている気がする。
相談したい。話を聞いてもらいたい。少しでも分かってほしい。
でも自分がその言葉を口に出せないでいる。出し方が分からないでいる。形容しようの無い言葉をずっと探して。
……そんな事をしている間に種は根を張っ
P「えい」
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