115:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/11(月) 00:15:10.67 ID:IfmMIhFE0
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まだ少し肌寒い春の夜空、春から冬へと季節が変わったとはいえ、冬の面影がまだまだ残っている。
深夜二時過ぎ、誰も彼もが寝静まった真夜中、辺りは静寂に包まれていた。見上げれば空を埋め尽くす星、月だけは見えていない。暗闇が広がる夜空の下、離れた街の灯りだけが辺りを照らす。その薄明かりの中に、一つの人影。
男は、ただそこに立って視線の先に広がる海と空の境界を見ていた。このIS学園で最も空に近い建物の屋上で、冷たい夜風にそよぐIS学園の旗を背にして。そして、おもむろに着ていたスーツの内ポケットから何かを取り出し、星々が広がる夜空へとかざした。
それは、淡い青をしたビー球のような物。
男は、それを祈るような眼で見つめている。まるで、そこから何かを見出そうとするかのように。
彼の視界にある、ビー球のような物越しに映る夜空。
その漆黒の夜空を今、一つの流星が過ぎていった。
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