19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/12(土) 01:59:45.19 ID:F856af2G0
それからしばらくして、箒はいつの間にか眠った。
一夏はまだ、窓辺に立っている。その視線は、ただただ虚空を彷徨っていた。まるで何かを探しているように。
「ーーーーまで、私を……忘れ……ないで………覚えていて……くれ……」
箒の声に、一夏は振り向いた。そして窓辺を離れ、箒の眠るベッドへと歩みを進めた。箒は、頬に涙を伝わせながら、ひどくうなされていた。その小さな慟哭は、まるで彼女自身が今まで押し殺してきた本心ののようだった。それを、一夏という一つのきっかけが呼び起こしてしまった。
「ーーーーして、いつか……これを……」
その言葉の先は、なかった。もしかすると、その先はないのかもしれない。これはただの寝言なのかもしれない
一夏は、うなされている箒の涙をそっと拭った。そして、じっと箒を見つめていた。
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