過去ログ - 一夏「祈るがいい」
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89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/10(日) 22:55:36.01 ID:GkrSYZZD0
カタパルトから勢いよく射出されたヴィンセントが舞い上がる。空高く上がった漆黒の機体が、最高点に達して自由落下を始める。そのまま重力に逆らうことなどなく落下していき、加速する。そして、地表に激突するほんの少し手前で体をひらりと反転させ、スラスターを吹かして見事に着地した。

「なかなかの登場の仕方ですわ、やはりあなたはマリオネットのようですわね」

一夏は、視線をゆっくりと地面から空へと移した。その先のセシリアは、アリーナの地表より上で滞空しながら大袈裟な拍手をして言った。

「あら、ISスーツをなくしでもして姉上にスーツを貸してもらいましたの?」

一夏は無言のまま立ち上がった。
セシリアは、口元に手を当てて笑うような素ぶりを見せた。
彼女はまだ武器を手に持っていない。それは、この先武器を展開する時間はいくらでもあるという一種の余裕の表れである。

セシリアの専用機、イギリス第三世代兵装実装試作機ブルーティアーズ
それは深い蒼をしていて、そこに白と黒を織り交ぜた機体。背に従えた四枚の特徴的なフィン・アーマーが羽のように背に展開している。その姿は、まるで王国騎士のような気高さを感じさせる。

「にしても、淑女(レディー)をこんなにも待たせるなんて余程の礼儀知らずですわね」

セシリアは腰に左手を当てて、右手を相手の方へ突き出す。これは彼女のお決まりのポーズであり、自らの威厳や尊厳をわざとらしく見せつけているようだった。


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