過去ログ - 一夏「祈るがいい」
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94:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/10(日) 23:11:11.95 ID:GkrSYZZD0
セシリアは、倒れた一夏の状態を確認するために高度を落とした。そして、ライフルを構えながら、少しずつ、一夏の様子を注視ながら接近する。今倒れている一夏の右手に銃はない、さっきの攻撃の衝撃で右手を離れていた。それでも、警戒は怠らない。もしもの時の為に、ビットをいつでも撃てるように展開している。そうまでしても、相手が戦闘不能に陥ったか否かを確認しなければならない。先ほどの一瞬で、この男が只者でない事が分かったからだ。
張り詰めた緊張感の中、セシリアはトリガーに指を掛け直し、小さく深呼吸をした。そして、一夏の眼前に銃口を突き付けた。
一夏の反応はない。前髪が目にかかっていて覚醒しているのか、気絶しているかどうか分からない。次はハイパーセンサーを使い様子を伺う。そして、知覚された普段なら分からないようなかすかな呼吸音を感知。そこにブレはなくただの呼吸をしているだけ。その事から、一夏が不意打ちを狙って倒れているのではなく、本当に倒れている事が分かった。

「協奏曲だけで閉幕(フィナーレ)とは……意外とあっけないものでしたわね」

セシリアは、倒れたまま全く動かない一夏を見つめながら言った。それには落胆のようなものが含まれていた。そして、構えたライフルを拡張領域(バスロット)へとしまい、名残り惜しそうにBピットへと進んでいった。


ゴトン、と何か重い塊が落ちた音がした。


それはセシリアがBピットへと戻る途中、一夏の周りに展開させていたビットを戻した時だった。彼女は、その音源を確認するべく後ろを見た。
そこには一夏がいた。前に見た時との違いといえば、さっきの攻撃が何の事は無かったかのように、そこに立っている、という事だろう。
その光景に、セシリアの口から自然と笑みがこぼれる。もちろんそれは、一夏が立ち上がった事に対する驚愕ではなく、立ち上がってくれた事を喜ぶ、歓喜に近いものだった。

「そうですわよね、あのようなラストでは締まりがありませんものね」

セシリアは、笑いを抑えられなかった。
自分を散々侮辱しておいて、たったあれだけで終わらせようなどと、彼女は考えていない。こうして立ち上がったからこそ、彼女は目の前の敵に自分の強さを思い知らせてやらねばならない。


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