97:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/10(日) 23:17:04.96 ID:GkrSYZZD0
爆発の熱気と渦巻く黒煙の向こうに、それらしき人影があった。それは、先程とは全く違った姿で、そこに悠然と立っていた。
それは、黒かった。
既存のISとは全く異なった細身の機体。
その薄くなった装甲を補うように周りに展開、というよりもオーバーコートを羽織ったかのような追加装甲。
右手に持った長銃身で、カスタマイズされているであろう長大な拳銃。
その全てが黒だった。
アリーナを覆った黒煙がゆっくりと晴れていく。黒煙から姿を現した一夏は、セシリアの方をゆっくりと見上げた。彼女は、その男から眼が離せなかった。
一夏とセシリアの距離はかなり開いている。普通に見れば、一夏がただセシリアの方を見ているだけ。だが、それがセシリアにはこちらを見ているのではなく、見られている今も、自分の中を全て見透かされているように思えた。
セシリアは、そのまま眼をそらす事も出来ず、まるで魅入られたように、じっと一夏を見つめていた。
Aピットでその光景を見ている千冬、真耶、箒の三人もモニターに映った一夏の姿を見つめていた。
その、長く伸びた黒髪に全身黒づくめの姿の男は、なにか通常の人間とは別の存在感を持っているように思えた。四人は、その男には風貌とは裏腹な、何か神聖なものを見る時のような感覚を覚えた。
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