過去ログ - 晴海「秋月マキシの本を……、読まずに死ねるかぁ!!!」
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◆o.umvroRL9by
[saga]
2013/10/13(日) 22:45:16.29 ID:sUOUBjm8o
「おーい、生きてるかー?」
誰かが俺の頬をつつく。
おいやめろ、こちとら疲れてるんだよ。
ゆっくり寝させろ。
抗議の意味を込めて寝返りを打つ。
「なんだ、寝てただけか。まぁ、手当てしたし大丈夫だよな」
手当て……?
俺怪我なんかしてたっけ?
……したよ!
銃で撃たれたよ!!
目が覚めた。これでもかってくらい覚めた。
え、人間って頭ぶち抜かれても手当てすれば生き返るの?
現代医学はそんな神の領域にまで到達していたの?
とりあえず瞼を開く。
目の前には鉄格子。
あれ? 被害者のつもりだったんだけど、実は加害者だったの、俺?
だがこの際もうどっちでもいい。
俺はどうやら生きてるらしい。
つまり、だ。
春海『本が読める!!!』ワォーン!
……ん?
今犬の声がしなかったか?
いやいや、まさか。
人の声が犬の鳴き声になる訳がない。
春海『マスター、この店で一番いい本を頼む』ワンッ
……あるぇ?
自分の手を見る。なんか毛むくじゃらだった。
顔を上げると、姿見が置いてあることに気づいた。
そこには間抜けな顔のミニチュアダックスが映っている。
どこかで見た顔だな、おい。
右手を上げる。鏡の中の犬も右手を上げる。
左手を上げる。そいつも左手を上げる。
春海『犬だぁぁぁぁ!!!』ワォーン!
そんな魂の慟哭も、むなしい遠吠えになるだけだった。
アフロ「お、元気になったなワンコ。お前がこの雨の中震えてるのを見た時は肝を冷やしたぞ」
そう言いながらウィンクするアフロ頭。
どうやらこいつに拾われたらしい。
なんでアフロなんだよ。
春海『助けてくれたのはありがたいんだが、俺は今猛烈に本が読みたいんだ。親切ついでに用意してくれないか?』ワンワンッ
アフロ「んー? 一応病み上がりなんだからな。大人しくしてろよ?」
ダメだ、話は通じない。
当たり前か、俺は犬なんだし。
吠えども吠えどもアフロが持ってくるのはドッグフードばかり。
せっかく生き返ったのに、本が読めないんじゃ意味がねぇ。
いや、むしろここが地獄なんじゃね?
やはり俺はもう本を読むことはできないのか。
そんな無力感の中、ペットショップ『IGGY』で暮らしはじめて一週間が過ぎた。
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