19: ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2013/10/14(月) 20:03:09.48 ID:ZqZKzP3U0
あの再不斬達の一件からしばらくたった時、ある些細な事件が起きた。
本当にそれは些細なことで、気にする必要など無かったはずなのだ。
なのに、俺は今でもこの日を忘れることが出来ない。
誰かが、俺の本に落書きをした。
字からして犯人はナルトだった。
落書きという行為自体には薄ら寒いものを感じるが、ただのイタズラに本気で怒るほど俺は馬鹿ではない。
ナルトに注意してその場は収まるはずだった。
しかし、一ヶ所だけ文体が違う落書きを見つけてしまった。サクラだ、と俺は確信した。
軽く、本当に何気ない感じでサクラにも注意する。
ナルトは素直に謝った。サクラはというと……逆ギレした。
「いつも遅れて来るんだから、そのくらい当然じゃないですか」何が、当然なのだろうか。
遅刻と何か関連があるのだろうか。
そのくらいという基準は誰が定めた物なのだろうか。
なぜ俺が遅刻するのか考えたことがあるのか。
それは誰のせいなのかお前は知っていて言ってるのか。
遅刻は事実だし相手は女の子だ。
むくれているだけの、普通の女の子だ。
彼女と俺とは何の因縁もない。
サクラに感情をぶつけるべきではない。
そもそも全ては俺の責任だ。
誰も助けられなかった俺が悪いのだ。
言い訳などしていい筈がない。
相反する意見が俺の中で交差し、俺は口に出すべきではない一言を吐き出してしまった。
「……何が、当然なんだ?」
結果、ただのイタズラに本気で怒る馬鹿に、俺は成り下がってしまった。
35Res/45.08 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。