29: ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2013/10/14(月) 21:04:47.81 ID:ZqZKzP3U0
「ちょっと静かにしててくれると助かるんだけど」
そう呟いてみたが、サクラには聞こえていないようだ。
仕方がないので、頭の脇に立ち右手だけで骨をゴリゴリと削るように切っていく。
力を込めすぎると突き抜けてしまうので、加減が難しかった。
広めのおでこを赤い線が真っ二つに横切り、前半分は恐らく切れただろう。
問題は後ろ半分だった。
口を押さえつつうつ伏せにし、右手でクナイを操るのは無理がある。
面倒なので少し計画を変更し、頭の前半分に小さな穴を開ける事にした。
顔の方に目を向けると、サクラは叫び声もあげず残った右目も固く閉じてしまっている。
一瞬死んでいるのかと焦ったが、そうではなさそうなので放っておく事にした。
クナイはそこまで切れ味がよくないので、骨を切るというよりは力で砕いていったという方が正しいだろう。
蓋を開けるようにして骨を取り除くと、断面はやはりボロボロだった。
頭蓋骨を枕の脇に置き、拳が入りそうで入らないぐらいの穴に指を伸ばす。
中身は思っていたよりかは弾力があり、触った瞬間溶けて流れていくなんて事は無かった。
これが原因でサクラは吐き気をもよおしたらしく、布団の上に吐かれるのは迷惑なので床に体を移した。
しかし、サクラはえずくだけで嘔吐する様子はない。また脳味噌をつついてみる。
あまり代わり映えのしない反応がつまらないので、指を突き刺した。
その瞬間、固く閉じられていた瞼が見開いて少し驚いた。
ズブズブと沈みこむ人差し指と中指に合わせて、サクラの眼球は忙しく動いていた。
押さえるのを忘れていた口からは、何語か分からない言葉を吐き出している。
当初の目的通り、指先を頭の中で動かして、中身をつまみ上げた。
とはいっても指先に塊がこびりついているだけで、内臓を引きずり出すような派手さは無かったが。
サクラは涎を垂らし、苦しそうに浅い呼吸を繰り返した。
もう一度指先を沈みこませ、そのままボールペンと同じようにぐるぐるとかき混ぜた。
ハンバーグを捏ねる音をもっと激しくしたような生々しい音が響き、サクラは奇妙な叫び声をあげ、何の反応も示さなくなった。
呆気ない最後に拍子抜けしつつ、俺は壁に寄りかかり天井をぼんやりと見つめた。
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