過去ログ - カカシ「春野サクラ……!」
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9: ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2013/10/14(月) 15:39:35.00 ID:BLnFpW2L0
年を重ねるごとに喪失感は増していき、あまりに愚かすぎた自分への後悔は膨らむばかりだった。慰霊碑にいくら足を運ぼうと、誰も帰って来はしない。それでも、ふと気がつくと俺は慰霊碑の前に居た。

あの時、どんな判断をしていれば最善だったのだろう。里を憎み、反発していれば良かったのか。それとも、俺も父さんの後を追っていれば良かったのだろうか。今さら何を思おうと全てが無意味だった。何時間、石の前で佇んでも、何かが変わることは無い。俺はすべてを諦め、惰性で生きていた。


そんなある日、火影様に呼び出された俺は、また下忍試験の試験官を任せると言い渡された。俺にはやる気が無いことを、いい加減気が付いてくれないものだろうか。うんざりしながら仕方なくリストを確認すると、そこには心を揺さぶるような名前が連なっていた。

うずまきナルトがミナト先生の息子だということは知っていた。俺が面倒を見れるなら嬉しくはあっても、拒絶する理由がない。うちはサスケについても、写輪眼を有する上忍が俺以外にいないので、俺が適任だと言えるだろう。

しかし、春野という名字を見た瞬間、俺は凍りついた。あの葬式の日、俺は件の二人の後をつけたのである。いくら父さんが間違っていたとしても、この二人だけは許せなかったのだ。

片方は残念ながら途中で見失ってしまった。仕方なく残った一人を尾行すると、そいつは瓦屋根の家へと消えていった。

表札の名前は忘れるはずもない。“春野”という二文字が、立派な桐の板に彫りこまれていた。


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