過去ログ - 美琴「お兄ちゃん!」一方通行「おォ、美琴かァ」
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鬼桜
◆aVMyA5iujQ
[saga]
2013/10/14(月) 23:33:15.84 ID:sCmP6thZ0
†††
破砕された、自動ドアだったものの残骸から、三人の男が飛び出してきた。
リーダー格と思われる中肉中背の男、ドレッドヘアの巨漢、ひ弱な印象を抱かせる男の三人だ。
三人の男は大きく膨らんだボストンバッグを手に、焦った様子でこの場から逃走しようとしている。
その様子から、三人の男がこの異常事態を引き起こしていることは容易に想像できた。
「さっさと引き上げるぞ! もたもたしてると――」
「お待ちなさい!」
だが、この場から逃げ出すことなど、黒子が許すはずがなかった。
幸いにも、黒子は犯人達が逃げ出す前に現場へと駆けつけることが出来ていた。
黒子が男達の前に立ちはだった事で、男達の足が止まる。
間髪入れず、黒子は言葉を続けた。
「風紀委員ですの! 器物破損および、強盗の現行犯で拘束します」
「嘘だろ、何でこんなに早く――」
驚愕の表情を顔に貼り付け、男達の視線が黒子を捕えたのがわかった。まじまじと姿を確認している事が確認できる。
それから男達の表情が徐々に険しいものから変わっていく。
やがて、目配せを交わすと――
「ぎゃはは、なんだそりゃあ、焦って損したぜ!」
「風紀員も人手不足かぁ?」
腹を抱えて、笑い出した。
好き放題の言い様に、黒子の表情が険しくなる。
端から見れば、一介の女子中学生――華奢で小柄な為、見た目は小学生にも見える――が男三人を相手にしようとしているのだ。
男達の反応も、無理はないのだろう。
だが、男達は哀れだった。もう少し、懸命になるべきだった。
男達はひとしきり笑った後、改めて黒子に向き直る。
その中の一人、ドレッドヘアの男が黒子へ向かって突進してくる。
「お嬢ちゃん、そこをどかないと怪我しちゃうぜ!」
言いながら、男が突進の勢いそのままに右腕を振るう。
その様子を、黒子は至って冷静に観察していた。
自分に向かって伸びてくる右腕を、黒子は状態を反らす事で容易く回避する。
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