過去ログ - 美琴「お兄ちゃん!」一方通行「おォ、美琴かァ」
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173:鬼桜 ◆aVMyA5iujQ[saga sage]
2013/10/15(火) 01:46:44.41 ID:3W4IP3K90



 ひ弱そうに見える男は、初春の首元にナイフを突きつけている。
 何処か虚ろにも見える視線が怪しげで、いつナイフを突き立てても不思議には見えない。

 黒子の首筋を、嫌な汗が伝っていく。
 どうしたものか。思案を続ける黒子をよそに――


 突如として、初春を取り押さえていた男に、電撃が炸裂した。


 ひ弱そうに見えた男は、体を痙攣させたかと思うと、そのまま地面へ倒れ込む。
 初春はと言えば、何事もなかったかのように、また、唐突な展開について行けずに、その場に立ち尽くしていた。


「悪いわね黒子、このままじゃあ色々まずそうだったからさ」


 後ろから、声がする。その声を聞いて、黒子は少し、平静を取り戻した。


「お、お姉様……」

「手、出させてもらったわよ」


 振り返った先には、どこか不敵な表情で笑う美琴の姿があった。

 謝られたものの、文句を言えるはずもない。

 言える事があるとすれば、それは自分自身の力の無さが招いたこの事態に対する謝罪の言葉だけだ。


「なによ、しんみりした顔しちゃって。これで事件は無事解決したんでしょ?」

「いいえ、まだです。この後、警備員への引き渡しを行いませんと」


 こんな所でへこたれていていいわけも無い。
 気持ちを切り替え、黒子は現場を見渡す。

 倒れた三人の男達を、取り押さえるつもりだった。

 そう、そのつもりだった。




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