963: ◆/eQDkM6RH2
2014/05/07(水) 22:51:55.12 ID:D0sSwKZ40
【 提督の初恋 】
鈴谷「提督ってさ・・友達いないの?」
提督「ん?」
鈴谷「ほら、同郷の人とかさ・・・休みとか会わないの?」
提督「友達は・・・いない」
鈴谷「え?まさか孤独を好むとかそんな・・・」
提督「同世代の子がいなかったんだよ、悪かったな超田舎で」
鈴谷「そ・・・そうなんだ・・・その割には人付き合いが得意とか言うか・・」
提督「・・・妖精が友達だった」
鈴谷「マジで!」
提督「ああ、自然が多いからな・・・妖精が一杯いる」
鈴谷「はぁ・・・すごいねぇ・・・」
提督「都会に来たとき、妖精が少ないことに驚いたな・・・物で溢れてるのに、妖精の姿を見かけない」
鈴谷「鎮守府の妖精はある意味特別だしね・・・都会で見かけるのは難しいかもね・・・」
提督「だな・・」
鈴谷「ていうか・・・初恋の人も妖精とか」
提督「だぞ」
鈴谷「マジ!!」
提督「田舎の古びたジャングルジムの妖精・・・小さいころから遊んでた・・・楽しかった・・・」
鈴谷「今はどうしてるん?その妖精・・・」
提督「消えた・・・そのジャングルジムが解体されて新しいのが作られることになったんだ・・・」
鈴谷「え・・・あ・・・そう・・・なんだ・・・」
提督「新しいジャングルジムが完成し、新しい妖精が現れた・・・同じ顔の妖精・・・でも心は彼女とは違ってた・・・」
鈴谷「なんで・・・」
提督「鉄塔に歴史がないからさ・・・妖精は歴史と共に成長する・・・」
鈴谷「あ・・・」
提督「同じ顔でも・・・彼女じゃない・・・失われた歴史は、元に戻らない・・・」
提督「艦娘と同じ・・・沈んでしまっても、新しく建造することが出来る・・・でも・・・その心は・・・俺と過ごしたときの心は・・・戻らない」
鈴谷「・・・・」
提督「ここの妖精さんから、艦娘と妖精は同じような存在って聞いたとき・・・彼女のことを思い出した」
提督「吹雪のことを意識し始めたころだからな・・・吹雪が沈んだら・・・もう二度と吹雪に会えない、また建造できても・・・俺の知る吹雪じゃない」
鈴谷「だから・・・沈ませないか・・・」
提督「すまんな、湿っぽくなっちゃって」
鈴谷「ううん、そんなことないって・・」
提督「ま、仮に沈んで新造されても・・・いや、絶対に沈めない・・・沈めない・・・」
鈴谷「・・・テートク、超イケメンじゃん」
提督「からかうなよ」
鈴谷「マジだって、提督のところに来れて私は幸せだよ」
提督「そうか・・・」
【 おわり 】
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