13: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/10/18(金) 00:13:04.45 ID:BTrtdNaVo
(まあ、新設されるんだから知らなくて当然なんだけど)
その日の僕は、これ以上ないぐらいくらい楽観的であり、同時に悲観的でもあった。
すなわち、新しい仕事がどの程度、自分をこの職に留めておいてくれるのかという、聞く人が聞けば、傲慢と受け取られること間違いない考えである。
もっとも、僕にとってはかなり致命的な問題であるのも、間違いないことである。これまで職を転々としているが、能力不足や体調不良が理由ないことがその証左であり、同時にこれ以上なく厄介なことでもあった。
「今度は、三か月持つといいけれど」
そんな呟きを零し、僕は駅前のタクシー乗り場へとやってくる。数人、すでに列をなして待っている人の後ろにつくと、ポケットからスマートフォンを取出し、予定を確認する。
――この日の十四時に、うちの社屋にまで来てくれ。
あの男性はそう言っていたが、どうやら定刻通りに到着できそうだ。流石に今日から勤務日ではないとは思うが、初日から遅刻をするほど、常識を知らないわけではない。
と、やがて自分の順番がやってきたのか、僕の目の前でタクシーの扉が開く。
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