39: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/10/25(金) 16:00:32.30 ID:DkuGHhzUo
……なんとまあ、信じられないほど非論理的な答えが返ってきたので、この日二度目の閉口を、僕はしてしまった。
そんな人を獲得するために、僕というカードは切られたのか。人によっては傲慢に聞こえるかもしれないが、僕としてはそんな人よりよほど仕事が出来る自信はあった。
プライドが高いつもりは無いが、より劣る人材を獲得するために、より勝る人材を一時的とは言え手放す社長の考えが、僕には理解できず、
「まあ、それを差し引いても向こうのプロダクションは、君にとって利益になる。行ってくれるかね?」
そんな社長の言葉に、何もかも考えることに疲れた僕は、気が付けば半ば操り人形のように同意していた。
「そうか! 非常に助かるぞ、Pくん!」
社長のその言葉は、半分投げやりになっている僕にとってなんら心を高揚させることは無かったが、残念なことに、次の社長の言葉で僕の心はますます重く沈み込むことになる。
「ではすまないが、来月の頭……、要は明後日だね。早速向こうに出向してくれたまえ。あと、週終わりの午後勤務はこちらでの勤務になる。向こうでの勤務状況や方針のすり合わせのために、こちらに戻ってきてくれたまえ」
僕は、そんな急展開のお陰で、めでたく三度目の閉口をすることになったのだった――。
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