6: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/10/15(火) 00:58:54.09 ID:3D16iz0No
「君、ちょっといいかね?」
春雨によって、葉桜が見え始めた桜並木のその下。多くの人が、新生活に心躍らせるこの季節に、陰鬱としてベンチに座っていた僕に、そんな言葉が掛けられる。
「……ふむ、酷く濁った眼をしているね。しかし、君はとんでもない宝玉のようだ」
見ると、恰幅の良い、活気あふれる中年の男性だ。いったい何の用だろうか。思いながら、僕は胡乱な眼差しを彼へと向ける。
――彼が、次の転職先の社長になることを、この時の僕はまだ知らない。
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