過去ログ - 真「ボクは雪歩の何になれるのか」
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32: ◆ueTY3VLB/s[saga]
2013/10/27(日) 22:14:59.42 ID:WO3tRq+Yo
プロデューサーが一番大変だなあ。
ボクは安っぽい音をたてて閉まったドアを見つめた。
ふと、右肩に重みを感じた。雪歩が睡魔に負けてダウンしていた。
ボクのうなじを雪歩の髪がくすぐった。
「……雪歩」
遠慮がちに声をかけても、起きる気配はない。もう、心地良さそうに寝息を立てていた。
起こすことも、雪歩を静かにソファーに寝かせることもきっとできたけど、ボクはそのまま肩を貸した。
プロデューサーが帰ってくる頃には、雪歩はさらに深い眠りに落ちていた。
どうしましょう、と訊くと、プロデューサーは肩をすくめた。
「直前まで寝かせとこうか」
「起きてすぐ本番って差し支えませんか?」
「じゃあ、移動中は寝かせて……スタジオ着いたら起こそう」
「はあい」
雪歩を車まで抱っこして運んだ。
雪歩はあまりによく眠ってて、横にさせるとシートの下に転げ落ちそうだから、
ボクは後部座席に座って、今度は膝を貸した。いわゆる、膝枕。
自分でやっといてなんだけど、ちょっと恥ずかしかった。
寝ている雪歩に気を使ったのか、それとも元々の無口なのか分からないけど、
プロデューサーは運転に集中して、まったく話しかけてこなかった。
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