過去ログ - 真「ボクは雪歩の何になれるのか」
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33: ◆ueTY3VLB/s[saga]
2013/10/27(日) 22:15:43.11 ID:WO3tRq+Yo
ボクは車が走るのに合わせて流れていく窓の景色と、膝に乗った雪歩の頭を交互に見ていた。
何回か視線が窓と頭と往復した後、自分の手がいつの間にか雪歩の頭の上に置かれているのに気付いた。
明るい茶色の髪が絡まる自分の指、遅れて感じる髪の手触り。
身じろいだ雪歩の肢体、微かに鼻をくすぐったシャンプーの香り。
一瞬、どきっとしてしまった自分に、苦笑いする。
こわれものを扱うように、雪歩の頭を優しく撫でて、溜息をついた。
ボクが男だったら、雪歩のことをもっと違う目で見ていたのかもしれない。
何となく意地悪な気持ちが湧いてきて、ボクは雪歩の髪をわしゃわしゃと乱した。
さすがに雪歩は目を覚ました。うぅん、ともぞもぞ身体を動かし、光に目を細めた。
「うへぇっ、な、なななんですかぁ」
「あっ、ごめん。起きた?」
「ま、真ちゃん……」
はあ、と溜息をついて、雪歩は目を擦った。
「もう、驚かせないでよぅ……。今何時?」
「プロデューサー、何時ですか?」
「ん、ああ、十一時ちょっと前。そろそろ着くよ」
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