21: ◆vFrOP6Ejc.[saga]
2013/10/19(土) 18:28:38.88 ID:e1A6D2xD0
「美琴」
優しい声でアイツがわたしの名前を呼ぶ。
「愛してる」
心臓が飛び出るかと思った。
わたし、今、絶対に肉眼でわかるくらいビクってした。
(ア・イ・シ・テ・ル)
アイツの言った言葉を心の中で繰り返す。
ああ。頭の中にICレコーダーがあればいいのに。そうしたら、永久保存版として今の5文字を保管しておける。
いやちょっと待て。何を考えているんだ、自分。
えーと、そもそも、わたしはコイツのことなんかなんとも思っていないわけで、
あと、それで、コイツが一方的にわたしのことを好きになっているだけなわけで、
さらには、これは夢の中なんだけど、こんなのがわたしの見たい夢ってわけじゃ絶対に無いわけで、
ああ、もう頭の中がぐちゃぐちゃになってきた。
(顔が赤くなってるのがわかっちゃったら恥ずかしいな)
そんなことを思いながら、恐る恐る顔を上げた。
「美琴、かわいいよ」
コイツ、こんなことを言うキャラだったっけ?ああ、そうか、夢だからだ。
変に納得をして、わたしはそっと目を閉じた。
唇が重なるのがわかる。
わたしのセカンドキスもコイツとだ。
きっと、わたしはもうコイツ以外とはキスできない体になっている。
うっとりして、頭がぼうっとなってきた。
「美琴、お前が欲しい」
やさしくキスされて、こんなことを耳元でささやかれて、拒否できる女がこの世にいるんだろうか?
わたしは、小さくうなづくことしかできなかった。
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