33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/19(土) 22:12:01.11 ID:tjV1Gedy0
絵里「…………」
その拳を絵里が掴んだ。そして、それまでの激情が消え去った、暗く静かな眼で凛を睨み上げる。
凛「あ、う…」ぞくっ
もはや絵里は矢を気に留めることをやめていた。避けられないのなら気にするだけ無駄である。
矢が命中するたびに反動で体を揺らす絵里。しかしそれには構わず、じっと凛を見据え続ける。
凛「あ、あ、あ、や、やばいにゃー…」
助けを乞うように海未たちに目線をやる凛。その刹那――
凛「え?」ぐらぁ
凛の視界が青に染まる。青、青、青、ときおり白い汚れ、また青。
それが空だと気づいたのは、全身を地面に打ちつけてからだった。
凛「――ッ?」
凛には何が起きたかわからなかったが、海未と希はそれを見ていた。
凛が二人に頭を向けたその時、既に絵里の脚は天に向かって伸びていた。
そして次の瞬間、目にも留まらぬ速さで振り下ろされた踵が、凛の首筋にめり込んでいた。
断罪、斬首、死神の鎌、そういった形容が相応しい無慈悲な一撃。
凛「……ッ…ッ!……!」
倒れた凛は言葉を発さず、ときおりビクンと身を震わせるのみ。
海未「凛ー!!」
希「ああ!あかん!」
絵里「可哀想な凛……どうしてこんなことになってしまったの?」
絵里は海未たちの方へ向き直り、ゆっくりとその距離を詰めはじめる。
海未「くっ…!」
焦り矢を連射する海未。しかしそれは無意味な行動である。
避ける気がない絵里はただ真っ直ぐ進むだけでいい。
矢が飛んで来ようが来なかろうが真っ直ぐ歩く、ただそれだけだ。
絵里「痛いわ、海未」
海未「……!」
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