38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/19(土) 22:21:57.64 ID:tjV1Gedy0
…………
凛、海未、そして希までもが倒れた。
二次被害で倒れた花陽を除くとしても、死屍累々。
絵里はようやく膝をついた。そして這うようにその場から離れようとする。
一刻も早くここから逃げたい。脳内に生命の危険信号が鳴り響く。
動かなくなった獲物たちに寄生する余裕もない。その時間すら惜しい。
早くどこかに身を隠し体を休めなくては……。
そのとき視界の端に微かに動くものがあった。
海未「え…り…」
息も絶え絶えという様子。しかしなんとか身じろぎし、上体を起こした海未。
海未「絵里…。穂乃果…には…会えまし…たか…?」
絵里は不思議だった。なんの話をしているのだろう?
それは今、この状況でする話なのだろうか?
無視してもよかった。いや、無視すべきだった。
全力で離脱し、生き延びなければならなかった。
だができなかった。
海未「穂乃果が…死にました…」
なにを言っている?
海未「誰かに…殺されたんです…」
死んだ?穂乃果が?
海未「穂乃果の部屋で…争ったような…跡があって…」
あ、ああ…
海未「穂乃果が血まみれで倒れていたんです…」
あああああ…
海未「死んでいました…」
あああああああ…
海未「動かないんです…笑わないんです…冷たいんです…」
あああああああああ…
海未「絵里…?」
あああああああああああ…
海未「穂 乃 果 に は 、 会 え ま し た か ?」
絵里「あああああああああああああああ!?!!!!?!!」
膝が崩れ、べちゃりと潰れ、地面に這いつくばってもがく絵里。
逆に海未はよろめきながらも徐々に立ち上がる。その手に弓を携えて。
絵里「あ、ああ、ああああああ穂乃果ああああ!穂乃果、穂乃果あああああ」
ズル…ビチ…ズルル
そしてついに姿を現した、女王。全ての元凶。
絵里の膣内の強い圧縮にいよいよ耐え切れなくなり、その身を外界に晒す。
眼が合う、というのは正確ではない。
それは穴だ。女王の頭部の黒い穴と、海未の黒い瞳孔が直線で結ばれる。
虫に恐怖という感情があるか?
捕食者から身を隠し、捕縛から逃れようともがく行動原理。
その根源たる生存本能を恐怖と呼ぶならば、そのとき女王は確かに恐怖していた。
引き絞られる弦。しなる弓。ゆっくりと息を吐き、そして。
――ラブアローシュート。
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