過去ログ - まほ「まほみほ大作戦だと?」 沙織「はい!」
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56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/10(日) 13:19:40.41 ID:gVo5Vc180
お土産コーナーでは、エリカが食い入るようにアンコウのキーホルダーを見ていて、

「気に入ったのか?」

と聞くと、

「いえ」

と短調に言葉を返された。すぐ横でその会話を聞いていた武部さんが、妙に顔をニヤニヤさせてエリカに言った。

「もしかして、アンコウお好きなんじゃないですかぁ? 可愛いですよねェ? アンコウ」

「別に」

「好きなんでしょォ? 白状しちゃいなよォ」

「誰が、あ・ん・こ・うなんか好きなもんですか!」

エリカは顔を真っ赤にさせていた。売り言葉に買い言葉。
他にもアンコウの手袋とか帽子とか、色々とアンコウ押しのようだ。

「あ、ねえ優花里さん。これ、買おうよ」

「え、これ」

「仲直りの印」

「……はい!」

他のキーホルダーコーナーから、そんな会話が聞こえてきた。

「なになに、みぽりーん、ゆかりーん……私を差し置いて何を買おうって?」

「沙織さん、あんこうさんでお揃いの買おうよ」

「おー、いいね! 買おう買おう! って、これさっきのか」

「どうしたの?」

武部さんが後ろを振り返ってエリカを見ていた。
エリカはと言うと、まだ向こうのキーホルダーコーナーをうろついている。

「……」

「あれ、沙織さん一つ多くない?」

「あー、いいのいいの」

みほの指摘に武部さんが手を振っていた。

「それより、みぽりんこそ、まほさんとお揃いの買わなくていいの」

「ちょ、聞こえちゃうよ」

もう、聞こえているのだが。

「聞かせてるの」

「え、ええ?」

「せっかく久しぶりに会ったんだもん。それくらいは、ねえ、まほさん」

満面の笑みで私を見ている武部さんと、申し訳なさそうなみほと、少し目元が薄桃色の秋山さんを
前にして、一度喉の奥で小さくため息を吐き、私はみほと色違いペアルックのアンコウキーホルーダーを一つ手にとったのだった。



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