過去ログ - まほ「まほみほ大作戦だと?」 沙織「はい!」
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[saga]
2013/11/10(日) 13:19:40.41 ID:gVo5Vc180
お土産コーナーでは、エリカが食い入るようにアンコウのキーホルダーを見ていて、
「気に入ったのか?」
と聞くと、
「いえ」
と短調に言葉を返された。すぐ横でその会話を聞いていた武部さんが、妙に顔をニヤニヤさせてエリカに言った。
「もしかして、アンコウお好きなんじゃないですかぁ? 可愛いですよねェ? アンコウ」
「別に」
「好きなんでしょォ? 白状しちゃいなよォ」
「誰が、あ・ん・こ・うなんか好きなもんですか!」
エリカは顔を真っ赤にさせていた。売り言葉に買い言葉。
他にもアンコウの手袋とか帽子とか、色々とアンコウ押しのようだ。
「あ、ねえ優花里さん。これ、買おうよ」
「え、これ」
「仲直りの印」
「……はい!」
他のキーホルダーコーナーから、そんな会話が聞こえてきた。
「なになに、みぽりーん、ゆかりーん……私を差し置いて何を買おうって?」
「沙織さん、あんこうさんでお揃いの買おうよ」
「おー、いいね! 買おう買おう! って、これさっきのか」
「どうしたの?」
武部さんが後ろを振り返ってエリカを見ていた。
エリカはと言うと、まだ向こうのキーホルダーコーナーをうろついている。
「……」
「あれ、沙織さん一つ多くない?」
「あー、いいのいいの」
みほの指摘に武部さんが手を振っていた。
「それより、みぽりんこそ、まほさんとお揃いの買わなくていいの」
「ちょ、聞こえちゃうよ」
もう、聞こえているのだが。
「聞かせてるの」
「え、ええ?」
「せっかく久しぶりに会ったんだもん。それくらいは、ねえ、まほさん」
満面の笑みで私を見ている武部さんと、申し訳なさそうなみほと、少し目元が薄桃色の秋山さんを
前にして、一度喉の奥で小さくため息を吐き、私はみほと色違いペアルックのアンコウキーホルーダーを一つ手にとったのだった。
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