過去ログ - まほ「まほみほ大作戦だと?」 沙織「はい!」
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64:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/10(日) 16:57:41.03 ID:gVo5Vc180
一瞬放けたのは、私自身だった。

「あ、すまない……そういうことではなく」

言い繕うも、みほはクスクスと笑っている。

「ふふ……かっこわるい……あははっ」

終いには、お腹を押さえながら足をバタつかせている。
と、体勢を崩して、

「あ」

斜め下に突っ込んでいく。コマ送りにそれが目の前で繰り広げられる。
私はとっさにみほの体を掴んだが、重さに耐え切れず一緒に転げ落ちる。
さほど、高いわけではないが、互いに川に落ちていった。

ばしゃーん! と水の跳ねる音が、夜間の住宅街に木霊した。

「みほ! 大丈夫か?」

浅い川だ。頭など打ってないかとヒヤヒヤして、すぐに、先に立って妹を引っ張り起こす。

「う、うん。びっくりした」

濡れ鼠になってしまっている以外は、特に外傷はなさそうだった。

「良かった」

私はほっとして笑みをこぼす。それから、自分とみほの滑稽な姿に笑いがこみ上げてきた。
みほも、こちらを見て口元を緩める。

「……そうやって、自然に笑ってるお姉ちゃんが見たかったんだ」

「みほ……」

私は、濡れたままみほを抱きしめる。

「すまない」

「……謝ることなんてないよ」

「いいや。私は、謝らなくてはいけない。あの試合のことも、みほに気を遣ってきたことも。自分の意地を通してきたことも」

「もういいんだよ」

みほの両腕がそっと私の腰に回される。

「私たちは互いに互いのやり方を貫いたの。それだけのことだよ」

そう言って、妹は堂々と笑っていた。



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