過去ログ - ガリアの空の下【ストライクウィッチーズ】
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/21(月) 00:48:08.30 ID:bFC+eytVo
この方にお会いするのも、これで何度目になるでしょう。

今わたくしが対話しているこの老紳士は、ガリア陥落以前からの古参議院の一人で、
亡命ガリア政府(何故かブリタニアやヒスパニアにいくつかありましたが…)においても
その権勢を失わなかった有能な政治家です。

…それに、アポイントメントがなかったとは言え、わざわざ出向いた先で、わたくしのような小娘が
「子供の授業」を優先して待たせても怒り出さないような手強い方でもあります。

とはいえ、ここは政治闘争の場ではありませんし、
話の大半はこのパ・ド・カレーの情況に関するお話と、政府方針に関する情報提供で、
それはお互いにとって必要な情報の交換ということもあり、にこやかに言葉を交わすことができました。

の、ですけれど…

「しかし、やはりパリにおいでになるおつもりはありませんか」
そのような婉曲な言葉とともに投げられる、こちらの心意を伺うような、深い、強い老人の眼差し。

パリに行く…つまり、本格的に政治の道に踏み出してはどうかという提案をされているのです。
それは、彼自身の名を引き立てるための打算だけではなく(無いとはいいません、お互いに)、
復興を本気で考えるならばもっと広く大きな場で力を振るうべき、というこの方なりの誠意からの申し出なのだと知っています。

でも、復興の端緒の頃ならまだしも、今のわたくしはこのパ・ド・カレーを、
父祖からのこの土地をこそ大切に育んでいきたいと考えていて。
そのつもりはありません、と伝えるのも、なかなか大変なのです…ことに、善意からの申し出であるからこそ。

パリ…そうですわね、あの頃は灰にまみれていたあの廃墟も、
今なら、きっとその美しい町並みを楽しめる程に復興しているはず。
ただの物見遊山としてならば、足を向けたいという気持ちもあるのですけれどね。


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