過去ログ - ガリアの空の下【ストライクウィッチーズ】
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/21(月) 00:54:33.05 ID:bFC+eytVo
――欲しい物?

そう、なにか欲しいものがあれば買ってきますよ、と言われた。
わたくしたちがロマーニャで501を再結成していくばくもないある日の事。

宮藤さんがメモを片手に聞いてきました。
なんでも、ローマに買い出しにいくということで、そのついでに…という事らしいのですけど、
あいにく、わたくしには特に欲しい物もないし、仮にあったとしても先立つものがありません。

だから、「なにもない」と伝えたのに、あの豆狸ったら何故か、
本当になにもないのか、などと重ねて聞いてくるのです。

よっぽど、お金がないから何も買えません、とでも言ってしまおうかと思ったけれど、
なんかそれも下品な気がしましたし、それに、わたくしのお金はすべて
ガリアの復興という大義のために差し出したのですから、この事で鬱屈を彼女にぶつけるのは
わたくしの意思を、ひいてはそこにかかってくるガリアという祖国を侮辱する行為に思えて、
本当に何もいらないからと、逃げるようにその場を去ったのでした。

その後皆さんから距離をとったわたくしは、各々が何を買って欲しいだのと
賑やかそうに話しているのを、遠巻きに聞いていました。

わたくしの全ては、今は未だ復興道半ばの祖国のために差し出すと決めてはいましたけれど、
本当は、少しだけ寂しい気持ちになってしまうのは、仕方のないことだと思いました。
そうしていると、ふと、バルクホルン大尉が宮藤さんに何かを頼んでいる姿を見つけました。

意外だな、と感じました。
あの方は、以前は俸給すべてを妹さんの治療のために送金していたことを聞いていましたから。
でも、妹さんも回復したから少しは自分のためにお金を使うようになったのかな、と思いました。

今思い返すと、わたくしはわかっていなかったなあ、と思うのです。


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