過去ログ - ガリアの空の下【ストライクウィッチーズ】
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/21(月) 00:55:40.09 ID:bFC+eytVo
――わからないわよね。

目の前には、困惑した表情の服部静夏軍曹がいます。
長い船旅の疲れも残っているでしょうに、よっぽどあのミソ汁の事が辛かったのか、
いえ、恐らくもっと別の理由で眠れずにいたのでしょう、バルコニーでもの思いにふけっているのを
わたくしはたまたま見つけ、声をかけたのでした。

彼女にとっては、宮藤さん(宮藤芳佳少尉、少尉ですって。あの子には似合わないわね)は
多くの戦いを勝ち抜き、欧州を救った英雄として映っていたらしい。
でも、あの子の実像は、服部さんが思い描いていた英雄の絵からはかけ離れていた…と。

まあ、あの子にそういうのを期待するのは、無理ですわよね。
服部さんの手前笑うのは控えるけれど、それでも笑ってしまうようなお話ではあります。

あの豆狸の事は、一緒に戦わないとわからないわよね。
戦争が嫌いで、どこまでも暢気で、自分の足元もお留守なくせに人のことばっかり心配して。
料理が好きで、洗濯をするのが好きで、なんで戦場にやってきたのかよくわからない子。
でも、そんなあの子がいたからこそ、わたくしたちは強くなれた…なんて、口で言ってもわからない。

触れ合わなければ、わからない、ぶつからなければ、わからない子なのです。

だから、わたくしの言葉が、いま彼女に理解されるとは思わない。
わからないでいいのです。

「明日は早いですわよ」

そう言ってあげて、わたくしの出来るお手伝いはおしまい。
あとは、宮藤さんと、ほかならぬ服部さん自身が解決するしかないですわね。


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