過去ログ - ガリアの空の下【ストライクウィッチーズ】
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3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/21(月) 00:37:34.54 ID:bFC+eytVo
そうして揺られること数十分、わたくしたちは目的地についた。
そこは、憩いの我が家にして、この辺り一帯を収める領主の座でもある、わがシャトー。
かつて、このあたりでは一番高く、一番大きく、そして美しい建物だった。

しかし、その実物を目にした宮藤さんの顔が曇ったのを、わたくしは見逃さなかった。
いや、見逃さなかったというのは正確ではない。思い切り表情に出ているのだ、わからないはずがない。
さっきまでのぶどう畑を眺めていた時の様子と比べればその違いは一目瞭然だった。


その理由は、言われなくってもわかっている。
だって、わたくしのシャトーは…かつてこの一帯で最も高く、最も大きく、そして最も美しかったそれは、
だけれど今のその身には戦争の爪痕が深く、深く刻み込まれているのだから。
外壁は至る所が削られ、砕かれ。
窓は多くが窓ガラスを失い、もしくは戸板を打ち付け閉じられているし
かつて高くそびえていた尖塔は、半ばから折られてしまって見る影もない。
屋根だって吹き飛び、長く風雨にさらされてきた室内のあちこちには、水シミや砂汚れが残る。

一言で言えば、酷い有様という以外にない状態なのは間違いない。
わたくしがさんざんあの子に話して聞かせてあげた「麗しのわがシャトー」の姿は、ここにはない。


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