過去ログ - ガリアの空の下【ストライクウィッチーズ】
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33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/21(月) 01:13:39.76 ID:bFC+eytVo
「ガリア復興財団を設立したことで、すこしでもガリアの復興のためにお手伝いができるって…
 ペリーヌさんのために、私にできることがあることが嬉しくって…」

リーネさんは、少しづつ言葉を発していく。
慎重に、まるで積み重ねた本の山を、一冊づつ一冊づつ、崩れないように拾っていくように。

「でもペリーヌさんが、まさか資産のすべてを投じてしまうなんて思わなくって。
 ホントは止めたかったけど、ペリーヌさんはとっても真剣で、一生懸命で」

…確かにガリアが解放された後のわたくしは、奇妙な興奮に支配されていました。
祖国の復興のためにすべてをかける、そのことに。
私財を投げ打つことなど、なんとも思わなかった。むしろ高翌揚さえ覚えていたのです、後先すら考えず。

「でも、そんな事を続けていたら、いつかなにかあった時、ペリーヌさんがつらい目に遭うって思って。
 だから、渡していただいたお給金の半分を、こっそり貯金に回していたんです。
 いつかは、ちゃんと話をしないといけないと、思っていたんですけど……言い出せなくって」

そう言って、リーネさんは深く、深く頭を下げた。

「勝手なことをして、ほんとうにごめんなさい。
 わたし、ペリーヌさんになって言われても仕方ないって――」

そこで、リーネさんの言葉は途切れた。
わたくしがその口を塞いだからだ。

彼女の頭を、わたくしの薄い胸に抱きしめることで。

その後のことは、ほとんど覚えてない。

覚えているのは、雨も降っていなかったのに、ぐしょぐしょに汚れた袖口から伸ばしたその手をつないで帰ったこと、それだけ。


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