過去ログ - 安価でシークレットゲーム7
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268:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/16(土) 21:25:41.36 ID:9R8BLELQ0
負い目の一つは、横山圭(男子十九番)を射殺したこと。
確か、圭と裕一郎は行動を共にしていることが多かった。
言い争いをしては宍貝雄大(男子八番)に宥められる、という光景を目にしたことは一度や二度ではないが、その様子を見ていた男子主流派グループや女子主流派グループの面々のような人付き合いの上手な人たちは、「あーあ、またやってる」「相変わらず仲が良いね」といった感想を述べて笑っていたので、古都美が考えていたよりも2人は仲が良かったのだろう。
そんな“喧嘩する程仲が良い”間柄だったと思われる圭の命を奪った古都美の行為を、裕一郎は表に出さないだけで心の中では恨んでいるはずだ。

そしてもう一つは、古都美は裕一郎をいつかは殺害する意思を見せているのに、裕一郎はそれを受け入れた上で行動を共にしているということだ。
クラスメイトの大半が班で協力して生き残ろうとしていると思われる中、古都美は政府に勝手に決められた班員で生存を目指すのではなく、信頼する友人たちと生き残る道を目指すことを決めた。
それは、裕一郎に「死んでくれ」と言っているようなものなのだが、裕一郎は古都美の思いを知っても逃げようとはせず、それどころか古都美が友人たちと会ったら殺せばいいとまで言ってきた。
百歩譲って親しい間柄だったのならともかく、記憶している限りでは一度も会話すらしたことのない相手に、どうしてそのようなことが言えるのか、理解できなかった。
しかし、「どうしてあたしのために死んでくれるのか」などという自意識過剰にも程がある質問を投げることができず、裕一郎の意図を理解できないままここまで生き残ってきてしまった。

雪ちゃん…雪ちゃんに会いたい…早く…会いたいよ…

この重苦しい空気を破り古都美に安らぎを与えてくれるのは、この島にはたった一人――鷹城雪美(女子九番)しかいない。
おっとりして優しかった荻野千世(女子三番)とのんびり屋でほわほわとした印象の佐伯華那(女子七番)、本当ならこの2人も古都美に安らぎを与えてくれる人たちなのだが、2人はもうこの世にはいない。
本当は4人で一緒に生き残りたかったのだけれど、もう、それは叶わぬ願い。
だけど、せめて、雪美だけでも一緒に生きて帰りたい。


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