275:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/23(土) 06:14:34.74 ID:Yq2Noa/q0
僕らは色々考えて
この日を待っていたのだった。
僕らはあと少しで此処から逃げられる。
そのための準備をしなければならないのだった。
「輝己、もういないの?」
静木 青が驚いて月下 香介が抱えている相野 輝己を見ながらそう言った。
「ああ。こいつ我慢してたみたいで…」
香介が言いにくそうな口調でそう言った。
「…なんで、誰にも言わなかったんだよ、輝己…」
中居 螢太が泣きながら叫ぶような口調でそう言った。
甘野 大和は呆然と立ち尽くしていた。
藍瀬 輝々は悲しそうな顔で輝己を見つめていた。
「…俺達は外国へ行けるんだ。いや、行く。俺は行くよ。皆はどうなんだ。」
大和がそう言う。
そして全員が笑顔になった。
「勿論。行くよ?」
「俺、自分とタクと皆を守る。だから行く」
「俺も。皆と一緒に生きると決めたんだ。」
「ああ。俺は自分を変えたいんだ」
青、螢太、輝々、香介。
それぞれ、生きることに目標を持った。
全員が笑いあった。
長かった。
もう5人はいないけれど
それでも僕らは笑って生きられるんだ。
大丈夫と信じて
一歩一歩踏み出していくんだ。
「そーだ、カラオケ行こうぜ?」
「そうだな、行こう」
「あ、タク連れて来て良い?」
「良いんじゃない?あそこ誰も使ってないし」
「その前にちょっと寄ってかない?」
この十数年間僕らはずっと大事な人達と
笑いあって共に生きてきた。
平和だったけど今に平和ではなくなってしまったんだ
「はっ?!外国へ逃げる?何考えてんだお前等!」
香介達を手助けした海原 青歌に
大和がそのことを報告したのだ。
大和の後ろには香介達がいる。
「あぁ。そのことを知ってるのは海原だけだ。そのことは誰にも言わないでくれないか?」
香介がそう言い、そしてゆっくりとこう言った。
「今、さっき、輝己が逝った」
「…は…」
「拓も逝ったよ。俺、車に轢かれそうになったんだ。けど、拓が俺の代わりに轢かれたんだよ」
螢太が俯きながらも香介に続き青歌にそう言った。
「…そっか」
青歌はそれだけ言い、ため息をついた。
そして、青が言い難そうに顔をあげ、青歌を見る。
「…こんなことするなら、飛べない悪魔さんが生きてる前に行動しろ。とか君は思ってないよね…」
「…思ってるよ。けど仕方が無い事だし…で?お前等、行き先は決まってんのか?」
青歌が青にそう言い、そして全員にそう聞いた。
「…………」
誰もが黙っていた。
どうやら、決まってないらしい。
「あのさ…行き先は教えないことにしとくよ」
大和が真剣に言った。
その答えに青歌が首を傾げた。
「どうして?」
「俺達はせめて、誰にも見えないところで暮らしたいんだ。なるだけばれないようにしたいんだよ。」
「そっか。」
螢太が答えて青歌は納得しそして微笑んだ。
「頑張りなよ。」
その言葉に香介達は微笑み返して
「今まで有難う」と
そう言ったのだ。
僕らは此処から動き出すんだ。
もう前に進むしかない。
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