38: ◆6xwp19VYUg[saga sage]
2013/10/25(金) 19:14:22.34 ID:bJALR2yqo
「エツァリ、テクパトル」
しばらくの静寂の後、白い少年は背後に呼びかける。
「オマエ達の命を使うぞ」
それを受けて、二人の男が即座に膝を付いた。
「元より」
「覚悟は出来ています」
少年の右の指先に再度燐光が点る。先程の数倍、いや数十倍の莫大かつ複雑な組成式だった。
続いて左手を掲げる。その手にあるのは、二体の生物。
八本脚を蠢かせる獰猛な蜘蛛と、長い体を捩らせる猛毒の蛇。
燐光が空間に放たれ、エツァリ、テクパトルと呼ばれた男の体と、蜘蛛、蛇を包む。
組成式は光の糸となって、まるで繭のようだった。
その内側で二人の男が緩やかに消え、人ではない何かが組み上がっていくのが分かる。
あとは、孵化する時を待つばかり。
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