過去ログ - 許嫁「私、昨日、彼とセックスしました」
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13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:49:52.26 ID:xjhVtzry0
3

中学生に上がると、親からのプレッシャーが次第に強くなっていった。
つまるところ、お家の安定のために、子弟間の横のつながりを作っておけということらしかった。
他者との関係をなるたけ希薄にしようとする性分が邪魔をしたが、僕が逃げれば、そのしわ寄せが彼女に向かう。
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:50:21.72 ID:xjhVtzry0
たまたま参加した集まりでの事だった。
集まりの中でも中心的な男の行きつけのホテルの店らしいが、どこか店内は薄暗い。
そこでは未成年にもかかわらず、アルコール類が供されているようだった。
僕は固辞したし、彼女にも飲ませなかったが、皆はまるで気にせずに飲む。
参加するべきではなかったな、と帰る算段を考えていると、隣りにどっかと誰かが座った。
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:50:53.22 ID:xjhVtzry0
「そういえばさぁ、俺、ずっとお前の横に立ってた女の子、ああ、今も座ってんな、気になってたんだよね」
「お前の彼女かぁ? いやいやぁ、お前にゃもったいねぇだろ。ギャハハ」
「俺にちょっと貸せよ。いいだろ?」
「貸すって、そりゃそのままの意味だよ。もしかすると寝取っちゃうかもだけどぉ、そんときゃ勘弁な!」

以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:51:27.52 ID:xjhVtzry0
ホテルから通りに出る。
外の冷たい風が肌を差して、自分が彼女の手を掴んでしまっているのを思い出した。
慌てて手を離す。
失敗したな、と思った。
僕が不快に思ったからといって、彼女も不快に思ったとは限らない。
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:51:58.81 ID:xjhVtzry0
それ以来僕は、できる限り彼女の行動を制限しないように取り計らうことを心に決めた。
思えば、例の席で酒を飲ませなかったのも余計な世話だったかもしれなかった。
二度と同じ轍を踏んではならない。
彼女の望まぬ婚姻の片棒を担いだ、これは僕の義務だった。


18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:53:04.87 ID:xjhVtzry0
4

「今日、告白されました。……引き受けようと、思います」
彼女がそう言ったのは、僕と彼女が高校生になって、しばらく経った日のことだった。
家庭教師や日々の弛まぬ勉学のおかげか、僕はなんとか兄たちの通っていた高校に滑り込むことができた。よく勉強のできた彼女については言わずもがなである。
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:53:44.25 ID:xjhVtzry0
実際、彼女はよくモテる。異性から愛の告白を受けるのはしょっちゅうだった。
しかし、彼女がそれを受けたことは一度もないようだった。
あるいは、僕に対して気兼ねしているのだろうか。
彼女が僕と同じ小学校に通い出してすぐ、相談を受けたことがあった。
「同じクラスの男の子に告白されてしまいました。どうすればいいですか?」
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:54:24.32 ID:xjhVtzry0
それでも告白を引き受けようとしなかった彼女に、やっと恋人ができるというのである。
それはきっと、とても良いことのはずだった。
人並みの幸せはともかく、僕という負債を抱えてなお、トータルではプラスになってくれればいい。
そう願って、僕は彼女を祝福した。
しかし彼女は、どこか傷ついたような、苦々しげな顔で、そうですか、と言った。
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:55:07.91 ID:xjhVtzry0
それから一週間後、彼女は恋人とキスしたことを告げ、さらにそのひと月後、冒頭のごとく、恋人と性交に及んだと言ってよこしたのである。
キスはよいが、ことが性交渉となると、はいそうですか、では収められまい。
僕には、彼女に対して一つだけ、注意をしておかなければなければならないことがあった。
僕は、避妊をしたかを聞いた。
彼女はひどく戸惑っていたが、それは僕に対して赤裸々に語りたい類いのことではないからだろう。
以下略



22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:55:35.39 ID:xjhVtzry0
と最後に、なぜかブルブルと震える彼女に確認した。なにか葛藤があるのだろう、と見守っていると、彼女がやにわに近寄ってきた。
思わず一歩下がろうとしたが、時すでに遅し。

思いっきり殴られた。


23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:56:26.12 ID:xjhVtzry0
4.5

私が彼に出会ったのは、十歳の夏の夜のことだった。
それ以来、私は彼に対して、なんだこの人は、と思い続け、ずっとずっと思い続けて、

以下略



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