36:お団子 ◆bZ4I4TB4eY
2013/11/03(日) 00:28:31.06 ID:N4DOXtEy0
「……何故?」
溜め込んだ空気を吐き出すように大きく溜息を吐く暁美ほむらに対して、
インキュベーターはにこりと笑いながら理由を話した。
「それは勿論、その『トリックスター』に秘められたエネルギー量が、途轍もない物だからだよ」
それこそ――鹿目まどかのそれよりも大きいかも知れない。
と、二人の間には沈黙が長く続く。
「それさえあれば、ボクは鹿目まどかから手を引こう」
――とても残念だけどね、と付け加えたインキュベーターを見て、
奥歯を噛みしめる、信用にならない。
「……本当に、彼女から手を引くのね」
それに対しインキュベーターは再三笑顔で受け答えをする、まるでそれが素顔であるかのように、
無邪気に返す。
「本当ならどちらも手に入れたいんだけれどね、ディケイドが厄介でそれも儘為らなくなるから、
キミに依頼しているんじゃないか、暁美ほむら」
依頼、その言葉がどうしても気に入らない、
「依頼ではないわ、交換条件よ、決して私はあなたの味方でも何でもないわ」
「……ふぅ、やれやれ、やっぱり分からないや」
奇妙な足跡と共に、インキュベーターはゆっくりと闇に包まれるように消えて行く、
その姿を見て、暁美ほむらは、苦虫を噛み潰すような思いでいた。
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