過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2013/12/10(火) 21:58:43.19 ID:TcqASv/o0
ローマ正教の本拠地へ行ったところで、彼女は出てこないだろう。
強襲したところで、数の差で負けるに決まっている。
初めて出会って戦ったあの日は、彼女の温情でお目通りが適ったのだから。
「………何で、」
疲れた。
橋に寄りかかり、ぼんやりと空を見上げる。
何の前兆もなしに、彼女は出て行ってしまった。
自分が嫌いになっただとか、そういうことではないのだろう。
彼女はきっと、自分の元を去ることをきちんと決めていた。
そのために札束を用意して、手紙を書いて。
「………」
今思えば、あの異常な眠気は薬を盛られたのかもしれない。
彼女はそもそも、何度もこう言っていたはずだ。
『一生お前の世話になるつもりはない』
あれは、意思ではなかったのかもしれない。
"そうなれない"ということだったのか。
何もわかるはずがない。何も話してくれなかったから。
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