過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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297: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/12/17(火) 21:52:51.51 ID:JoSljzfA0

「何が悲しくて惚気なきゃならねえんだよ」
「いーからいーから」
「何が良いんだっての」
「俺の術式研究に協力すると思ってさあ。
 間違っても『リア充爆発しろ』とか言わねえし」
「あん? りあ……?」
「あ、知らない? 知らないならそのまま純粋なトールちゃんのままで」

ウートガルザロキは暇つぶしの材料に今現在、雷神トールを選択していた。
トールはというと、霊装の手入れをしながらやっぱり暇を持て余している。
催促されているのは惚気話である。
何でも『恋情という自分の経験したことのない感情の揺れ動きを術式の材料にしてみたい』らしい。
本当のことかどうか、怪しいものである。

「そもそも初対面の野郎の腕ポッキリ折っちゃう女のどの辺りが良い訳」
「まだ根に持ってんのかよ。……ケーキ食べてる顔とか」
「ふーん? 後は後は?」
「人が眠いところにのしかかってきたり。
 寝てる間に悪戯しやがったり。
 ……俺が軽く咳しただけで、数時間後には飴作って差し出してきたり」
「その後半のは女子力って言って良いのかね」
「あん? 戦闘力の一種か?」
「いやいやコッチのオハナシ。なるほどー、いやー、なるほどなるほどね」
「ま、仮にそういうのを二度としなくなっても、だからといって嫌いになったりはしねえな。
 口で言い切れるような理由だけで好きになった訳じゃないから、口で言えるような理由じゃ嫌わない」
「じゃあ感動の再会の時には涙流しながらハグしてぶっちゅーしちゃうんだ。マジ引くわー」
「ナメてんのかテメェは」

そんな訳ないだろアタック(電撃を纏った手刀)が繰り出される。
対してウートガルザロキはというと、自ら名乗る巨人の王の伝承に基づいた術式を用い、ひらりと姿を消したのだった。


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