過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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309: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/12/22(日) 12:37:04.70 ID:WMKgr9Ku0

「久しい―――といったところで、覚えてはいないか」
「誰だ、テメェ。インデックスに…ッ、何をしやがった!!」
「知らんよ。整備不良はそっちのミスだろ」

敵意をむき出しにする少年の姿は、滑稽だった。
自分のことを覚えていない。つまり、禁書目録のことも覚えてはいないのだ。
そして本質的な性格を鑑みるに、記憶喪失について彼女に話してもいないのだろう。
ほんの少し会話しただけでこれだけのことがわかってしまうのは、やはり同族だからか。

「右方のフィアンマ、だし……ローマ正教…っぐ、」
「おいおい、自己紹介位自分でさせてくれよ」

のんびりと遮る。
緩やかな口調と共に、右手を振るう。
たったそれだけで、敵は面白い程距離を離して吹っ飛ぶ。
戦闘で苦労などしたことはなかった。
全て、自分の右手が、奇跡が、何とかしてくれた。

「ジ、ガ………」

ふらり、と揺れて。
インデックスの体が、地面へ倒れこむ。
フィアンマは彼女を一瞥し、上条を見た。

「俺様は、右方のフィアンマ。
 ローマ正教『神の右席』―――最後の一人」
「ッ、」
「――ーその右手の管理は、今暫く任せておくか」

背を向ける。
上条が走ってきた気配を感じ取って、小さく笑う。

自分は今、どんな悪人に見えているのだろう。



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