過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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316: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/12/23(月) 21:53:28.14 ID:XKAfEPCK0

十月十九日。

先日の宣戦布告をもって、第三次世界大戦は開始された。
フィアンマは現在、ロシア軍基地の奥地で、椅子に腰掛けていた。
周囲には幾百もの見張りの魔術師が居る。
仮に侵入者が来ても彼らが排除するし、最悪彼らを囮にすれば逃げるのは容易だ。

「……」

机に片肘をつく。
短く低く詠唱し、光りだした本を開いた。
これは、本の形をした通信用霊装である。

「やあ、ニコライ。調子は如何かな?」

フィアンマの通信相手は、ローマ成教のニコライ=トルストイ司教だ。
出世の為、権力、財力のために、フィアンマに協力している人物だった。
漁夫の利を狙うばかりの意地汚い小物と称されることもある程に、人望はない。
人望がないからそうなったのか、こうなったから人望がないのか。
それは鶏と卵の不毛な論理のようにゴールや答えの見つからないものだ。

『良い訳はないだろう』
「んー? 予定通り開戦させたのはお前だろうに」
『お前が提案をした戦争だろう。本来ならばこうなる前に…。
 ……勝てるのだろうな。絶対に』
「勝てないのなら最初から誘ったりしないさ」

舌先三寸で適当に弄び、通信を終える。
空腹を感じない。
彼と一緒に居た頃には、あんなにも。



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