過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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349: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/01/04(土) 00:22:36.88 ID:mmZG/6ru0

適所を破壊する毎に、落下速度が早まっていく。
時々制御して墜ちる方向性を変えながら、城は進んでいった。
北極海に着水しなければ、地表に激突する。最悪の場合、それが原因で氷河期が訪れるからだ。

『cghjiowsh』
「……、」

ゾゾゾ、という音が聞こえた。
大きな津波がやってくるような音に思えた。
『神の力』が北極海の氷や水を使い、自身の身体を再構成しようとしている。
万一にでもそれが完了してしまえば、それはそれで世界が変革してしまう。
自分の手を離れた天使が何をするか。
惑星の破壊、というフレーズがもっともしっくりくるようなことをするだろう。
自分が元の『座』へ戻るために。天使とはそういうものだ。

「努力とは報われないものだな」

自分に言っているのか天使に言っているのか。
ぽつりと呟くと、フィアンマは右手を水平に掲げた。
幸いにして、『ベツレヘムの星』は間もなく着水する。
『聖なる右』で目の前の大天使を片付けてしまえば、心配事は無くなるのだ。

「巻き込んでしまってすまなかったな」

人語で告げたので、きっと伝わりはしなかっただろう。

ただ、右手を振ったその瞬間。
水の大天使は、慈愛を湛えて微笑った気がした。


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