過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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35: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/10/30(水) 22:05:05.79 ID:tRq2mFom0

腹立つ。

雷神トールの感想はそれだった。
どこからどう見ても、俺は男だ。
そう言わんばかりのオーラが放たれているが、ナンパ男達は気づかない。

「はは」

低い声を出したのは、トール…ではなかった。
その隣に居るフィアンマである。

「望む言葉とは、望む人物に言われないとそれはそれで腹立だしいものだな。
 いかんいかん。憤怒は大罪だと習ったのだが…まあ、これ位ならお赦しいただけるだろう」

うん、と勝手に結論を出し。
彼女は指先で、輪ゴムでも飛ばすかのように弾いた。
途端に、男二人の身体は吹っ飛び、電柱にぶつかって気を失う。
第三者には恐らく、映画の撮影か何かに見えたことだろう。

「お前達に可愛いと言われてもな」
「………」

ぴこーん。

トールの頭から電球マークが飛び出し、空気中でぱぁん、と消えた。
ついでにいうと女扱いされた怒りも消えた。
彼は悪気の無い明るい笑みを浮かべ。

「怒ってたんじゃなくて拗ねてたのか」
「………」
「悪かったよ。頼み方に可愛げがなかっただけで、お前自体は割と可愛いと思ってるよ」
「………」

媚売りではなく、本心からの言葉だったのだが。
フィアンマはトールを見ず。

「……葡萄のタルトが食べたいのだが」
「…へいへい」

白い頬がほんのちょっぴり赤くなっているのを、少年は見逃さなかった。


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