過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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351: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/01/04(土) 00:23:33.60 ID:mmZG/6ru0

目の前で、神殿は徐々にスピードを上げながら北極海へ着水した。
その衝撃で城はバラバラに砕け、北極海は瓦礫の海と化した。
走ったが、間に合わなかった。
一つ、脱出した人物が乗っていたらしいコンテナは見えた。
それは少し不良箇所があったらしく、不安定な動きをしていた。
あちらは上条当麻が乗っているとの話を聞いた。
今頃は学園都市側が回収しているだろう。故に、トールは城の方を追った。
上条脱出後、コンテナの二つ目が脱出することはなかった。

つまり。

城の中には、彼女が残されていた。
今ならまだ、海水の中でもがいているかもしれない。
他の魔術師は捕縛という目的で彼女を探す中、トールは純粋な心配で捜していた。
走っている最中に連れ合いを残してきてしまったが、彼なら大丈夫だろう。

「クソ、」

水は冷たい。
ただ指先が触れただけで凍えそうなのだ、体ごと浸かったら低体温症は免れまい。

「何処だよ、」

もう少しで、後一歩で手が届く。
ずっと捜してきた。
たとえ敵に回っても、嫌われても、もう一度あの顔を見たかった。
欲を言えば、笑って欲しかった。泣き顔でも良かった。

「居ねえ…」

もしかしたら海の中からは脱出出来たのでは。

そんな考えに至り、トールは何度も海を振り返りながら周囲を捜索し始めた。


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