過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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385: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/01/07(火) 22:34:22.93 ID:IhUfCYqQ0

「………俺様に」
「……ん?」

ケーキを口に含む。
甘いものは、頑なな心を溶かす作用があるような気がする。
ほわほわとした生地と、甘ったるいバニラの香り。
舌先に広がるちょっぴり脂っぽいカスタードクリーム。
鼻を抜けていくのはバニラシュガーの香料だろう。

「トールとやり直す資格はあるのかどうか、自信がない」

同意が欲しい訳ではない。否定が欲しい訳でもない。

ただの独白。

自分はトールを事実上捨て、自らの目的を優先した。
その結果がこのザマで、トールはなりふり構わず進む破滅的な道に進んだ。
元々戦闘狂だったが、戦争代理人としての暴力的な側面が目立ち始めたのは自分と別れてからだ。
今頃になって、都合良く"はい元通り"といくのだろうか、という不安のようなものはある。

無償の愛は難しい。

好きになればなるほど。

「無いだろうね」

オッレルスはさらりと言い、フィアンマの前にクッキーの袋を置いた。
黙っている彼女に向かって、彼はどこか懐かしむように言う。

「そして、人間関係に資格という概念はないと思うよ」
「………」



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