過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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44: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/11/01(金) 23:42:39.22 ID:Qj3Jsq+X0

勿論冗談である。
かといって金の宛てはなく、日本という平和な国では傭兵稼業にも就けない。
身元が曖昧不確かでもバイトが出来る国とはいえ、そんなことをするつもりはない。

そのため。

フィアンマは、自分の持つ幸運をフル悪用することにした。
フル活用ではなくフル悪用なところがミソである。
元手の金でスクラッチを多く購入し、次々と当てていく。
彼女が願っている通り、その金額は一万円以下だ。
一万円以上になると窓口では換金出来なくなる。
銀行口座を作るのは身分証明含め酷く面倒だ。なので、少額をガンガン当てるしかない。

「それにしても、よく当たるな。
 普通は当てる額を気にするんじゃなくて当てられることを祈るってのに」
「俺様の才能だ。とはいえ、予想以上の額が当たると困るな。
 適当に配れば慈善事業か何かになると思うか?」
「多分気味悪がられると思うが……」
「…さて。これだけあれば当分大丈夫だろう」

合計二十万円分程のスクラッチ(削り済み)が彼女の手元にこんもりとしている。
ハズレ券は四枚程で、それは既にゴミ箱へ放り込まれていた。
幸いにも大金は当たらなかったので、処分には苦労しない。

「お、おめでとうございます……」

ウチの売り場、こんなに『当たり』入ってたっけ。

そう口にせんばかりの売り場の店員より金を受け取り、フィアンマはそっくりそのままトールへ渡した。

「……ふと思ったんだけどよ」
「何だ」
「元手は貸してやるから、後はこういう方法で増やしていけばお前財布なくても暮らしていけるんじゃ、」
「………」
「ま、お前がそうしたくないってんならいいけどさ」

元より、トールは物事を深く考えない性質だ。
一度必要だと思ったことはどこまでも考え込むが、人の事情に余計な首を突っ込んだりはしない。
それが救われずにあまりにも見ていて気分が悪いのならばともかく、基本的には無干渉だ。
助けられそうなら助ける。それがポリシーだ。



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